ソースコードと設計書をSVNで管理している場合、サーバー移行ではファイルの最新版だけでなく、出荷時の版と変更理由も取り出せる状態にする必要があります。課題管理やビルドとの連携があるなら、それらも移行対象として確認します。
この記事は、自動車部品の開発部門を想定した移行準備の解説です。特定企業の導入実績や成果を示すものではありません。
ファイルと運用設定を分けて洗い出す
リポジトリの履歴と、認証・権限・フックなどの設定は、同じ方法で移せるとは限りません。図の上段は履歴データの移行、下段は移行先で設定・動作を確認する対象です。
図:履歴と設計書は移行・照合し、認証やフックと外部連携は別途設定する図。画像を開くと拡大できます。
| 対象 | 移行前に残す情報 | 移行先で確認すること |
|---|---|---|
| ソースコードと設計書 | パス、容量、必要な版 | 最新版と選定した過去版を取り出せるか |
| 出荷版 | リポジトリ、タグのパス、リビジョン | 出荷記録と対象の成果物が対応するか |
| 変更票と試験記録 | 番号、保管先、関連するコミット | 変更理由から実装と試験結果をたどれるか |
| 権限と認証 | 利用者、グループ、許可範囲 | 社内・協力会社それぞれのアクセスが適切か |
| フックと外部連携 | 検査、通知、接続先、実行権限 | 連携する課題管理やビルドが動くか |
SVNのdumpには、フックスクリプトや現在のロック情報などは含まれません。リポジトリを移しただけで旧環境の運用を再現できると考えず、別に確認します。
出荷版をタグ名だけで管理しない
SVNのタグは、コピーによって作るディレクトリです。作成後の変更を禁止するには、権限やフックによる制限が必要です。出荷記録にはタグ名だけでなく、対象のリポジトリ・パス・確定したリビジョンを残してください。
設計書や試験記録がSVNの外にある場合は、その保管先と版も対応づけます。再ビルドが必要な製品では、コンパイラ、外部ライブラリ、ビルド設定、生成物も対象です。ソースの取得と、出荷物の再現は分けて検証します。
ISO 26262を適用する開発では、構成管理と変更管理の手順を対象となる要求に照らして確認します。クラウドへの移行や提供元の認証だけで、製品開発の適合性が決まるものではありません。
検証移行で試すこと
代表となるリポジトリを選び、履歴の複製から利用者の操作まで試します。容量だけで選ばず、権限が複雑な案件、ロックを使う設計書、外部連携のある案件を含めてください。
検証では、ファイルと属性の照合、過去の出荷版の取得、変更票への参照、権限の許可・拒否、ビルドと通知を確認します。移行先で利用できないフックがあれば、代替方法を決めてから本番日程を確定します。
切替と保全の条件を決める
本番では旧環境への書き込みを止め、最終状態を保全して差分を反映します。内容と操作を確認してから、新環境での書き込みを再開します。停止時間は検証時の転送・取り込み時間を基に見積もり、関係者へ事前に伝えてください。
旧環境は書き込み禁止を維持し、保存要件と切り戻しの条件に沿って保全します。新環境で更新が始まった後は、旧環境へ戻すだけでは新しい変更を失うため、戻す場合のデータの扱いも決めておきます。
移行相談に用意する情報
リポジトリ数と容量、出荷版の管理方法、協力会社への共有範囲、外部連携、希望時期を整理すると、移行対象と検証作業を具体化できます。
参考資料
確認日:2026年10月6日。 SVN Bookの参照先は1.7系列の説明です。実際の設定・操作は、使用中のバージョンと提供サービスの仕様も確認してください。
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この記事の著者
株式会社オープングルーヴ/tracpath編集部。バージョン管理サービスtracpathを提供。






