クラウド上で使える様々なサービスが生まれ、低コストでコラボレーションができるインフラが整ったことで、今まで大企業にしかできなかったようなソフトウェア開発プロジェクトも、個人や中小企業の協創でできるようになり、新しい形で顧客に満足を届けられるようになりました。
しかし一方でプロジェクトに関わる人が増え、ドキュメント、ソースコード、議事録、そして、共有のため大量に作成される中間成果物などが多くなったことで、ソフトウェア開発プロジェクトのための「管理コスト・工数」は、今まで以上にかかるようになってしまっています。
一説によると、日本のビジネスマンは年間150時間もの時間を「探しもの」に使っているというデータがあり、1日8時間労働と考えると19日分にも相当します。
これはクラウド上でソフトウェア開発を行なう時も同じで、例え管理できるデータの容量が増えても、使いたい時にすぐデータにアクセスできなければ意味がありませんし、「必要なデータを探す手間」や「データを探しやすくするための管理の手間」は利益を生まないどころか、せっかく開発環境の低コスト化で実現した利益をどんどん奪っていってしまいます。
特にオープンソースの利用が進み、自社内で開発環境を持つことができるようになったことで、同時にインフラの整備、アカウントの管理、バックアップ、そして、環境トラブル時の対応など、自分たちで解決しなければならない課題は日々増え続けています。
しかし、これらの業務はソフトウェア開発業務とは直接関係せず、限られた予算の中では専任の担当者をアサインするのもなかなか難しい現状の中、ソフトウェア開発に関わる人たちは低予算で効率よく開発環境を管理できるサービスを求めていました。
このような背景から、クラウド型ソフトウェア開発プロジェクト支援ツール「tracpath(トラックパス)」が生まれました。
作業の無駄を極端に嫌うトヨタでは、「人を責めるな。仕組みを責めろ。」という言葉がありますが、ソフトウェア開発プロジェクトでも同じで、仕組みやルールを何も決めないまま行き当たりばったりに開発を進めてしまうと、無駄な作業や調整をしてしまったり、品質の低下につながるミスが起きてしまったりと、様々なトラブルの元になるもの。
本来であればエンジニアやプロジェクトに関わる人たちが、余分なことに時間を取られず、品質を上げるためだけの開発業務に専念できる環境や「仕組み」を事前に整備しておくことが、プロジェクト成功の秘訣でもあります。
オープングルーヴが様々な企業を調査したところ、バージョン管理(構成管理)やバグ管理(バグデータベース)を利用しない場合に、企業内で共通して起こる「5つの課題」を見つけました。
1.ソースコード管理は自社のルールでやっているが、ファイルの上書き、ファイルの喪失、よくわからないファイルが溢れており、開発業務以外のところで、時間を取られている。
2.メールや添付ファイルでバグや課題を共有することが多く、修正履歴がないため、どれが最新かが分からない。データベース化されていないため、「対応漏れ」も発生したことがある。
3.開発環境のインフラ整備、バックアップ運用の大切さはわかっているが、後回しになってしまっている。
4.バージョン管理(構成管理)の必要性は分かっているが、導入のための自社にあった手順がわからない。
5.過去の資産(CVSなどのリポジトリデータ)があるため、多少の不満があっても今のものを使わなければならない。移行する場合の予算も気になる。
クラウド時代のITの役割は、できるだけ管理やツールにコストをかけず、クリエティブなことに時間を集中させて、目的を達成することにありますが、エンタープライズ領域では、常に最新のツール使うということもなかなか難しいでしょう。
そんな中、グーグルなどの成功している企業に共通するのは、一組織や一個人よりもはるかに大きなことを成し遂げられる、誰でも参加できるフラットな仕組みを整えて知恵、能力、そして資源を一ヶ所に集めて活用しているということでしょう。
また、アメリカでは平均的な力量のプログラマーが5,6人集まってプログラムを書いているのに対し、日本のソフト製品は、一人の天才プログラマーが8割、9割を書いていることが多いと言われますが、やはりチームが協力しあって効率よく業務を進めているのは、見ていて気持ちの良いものですし、1人の人の力量に頼るというのはリスクの高いことでもあります。まだこのような光景が日本であまり見られないのは、そのためのツールが普及していなかったり、導入のためのサポートやコンサルティングが不足していることも理由に上げられるのではないでしょうか。
tracpath(トラックパス)は既存の開発環境、アナログ的な方法、そして、ソフトウェア資産はそのままに、ソフトウェア開発チームの課題を解決でき、 運用コストの削減まで実現するツールです。また、導入から運用まで専門の技術者がサポートするため、開発者は導入期間も含めてソフトを開発することだけに集中することができますし、「tracpath(トラックパス)」を導入することで次のようなメリットも受けることができます。
日本に限らず、世界には驚くほど非効率なやり方のまま、仕事をしている企業が多くありますが、その背景には、技術者が変化を好まなかったり、新しいことを覚えるには時間と体力が必要と導入を先延ばしにしたり、日常の業務に新しいことを浸透させる手間のことを考慮したりなど様々な不安があるかもしれません。
バージョン管理システムやバグ管理システムと言われるサポートツールを利用したことがない人やチームがこのような不安を持つのは同然のことですが、tracpathをご導入いただくと、システムメンテナンス、ツールに関する技術サポート、CVS,Git,Mercurialからtracpathへの移行サポート、そして、数百件からのリポジトリ移行や分散環境からのデータ移行など、様々なニーズに合わせて導入のコンサルティングや教育を受けることができます。
エンジニアは使うツールに徹底的にこだわりますが、tracpath(トラックパス)は「Git」「Subversion」「Mercurial」の主要な3つのバージョン管理システムに完全対応しており、tracpathの便利な部分は使いながらも、基本的なバージョン管理の方法やコマンド入力は、今まで通りに行うことができます。また導入実績としても幅広い業種でご利用頂いており、ウェブサービスの開発、組込みシステムの開発、ゲーム開発、そして、ソーシャルアプリ開発など、それぞれの会社やチームによって異なる要求に対応できています。
近年では、git(ギット)が急速に普及し、オープンソースの開発や個人デベロッパーの利用が増えていますが、tracpath が git をサポートし始めてから、エンタープライズ領域でも着実に git 利用が進んでいます。
tracpath(トラックパス)は エンタープライズにおける分散バージョン管理として、Git / Subversion / Mercurial をサポートしており、プロジェクト管理者や IT マネジャーの管理業務がシンプルになる、最新の開発環境を提供することができます。
世の中の多くのものは機能を少なくしたり、小さくすればするほど良いものになる傾向があり、映画監督は、すばらしい映画を作るためによいシーンをカットし、ミュージシャンは、すばらしいアルバムを作るためによい曲を取り除き、作家はすばらしい本を作るためによい文章を削除しますが、本当のシンプルさとは「もうこれ以上機能をそぎ落とせない」というところに達して始めて、シンプルだと言われるのではないでしょうか。
tracpathも複雑な機能や何でもできるという要望を徹底的に取り除き、「もうこれ以上機能をそぎ落とせない」というシンプルで必要最低限のパワフルな機能だけを残しました。
オープンプラットフォームと基本的なソフトや周辺機器さえあれば、普通の人や小さな組織でも多くの人のコラボレーションして、影響力のあるサービスを作ることができます。個人や小さな組織にとっては、今までやりたくてもできなかったことが外部の人々が持つ知識や才能を最大限に活かして、マスコラボレーションの恩恵を受けながら実行できる胸踊る時代がやってきつつありますが、一方で外部の人が多く関われば関わるほど、使う情報が増えれば増えるほど、業務のプロセスや管理はどんどん複雑化していきます。
tracpath(トラックパス)はプロジェクトの上流から下流までのすべての工程をカバーし、議事録やプロジェクトの進行管理、成果物であるソースコードなどを一元化して効率良く管理し、引き継ぎや追加人員のキャッチアップも簡単にすることができます。
サッカーやラクビーなどスポーツには素晴らしい「チーム」がありますが、まだまだ日本社会全体のコラボレーションは「チーム」ではなく、「グループ」の範囲で終わってしまっており、これらの原因は管理者やプログラマー、そしてデザイナーなどがクラウド上で業務を上手く管理・進行できていないことにあります。
tracpathでは、「管理のための管理」の手間を省き、管理者やメンバーそれぞれが背景・目的・チームメンバーの動きを
正確に把握することで、助けあいや良いパス出しができるようになり、「本当のチーム」としてのコラボレーションが生まれると考えています。
tracpathのクラウドサービスは、エンタープライズ環境において求められる高いレベルの安全対策を前提に、それをクリアできるサービスとして設計されています。お客様の大切なソースコードや設計情報を守るために実施しているtracpathクラウドサービスのセキュリティ対策とセキュリティ管理については、「セキュリティ」ページでご説明しております。 また、当社のセキュリティ行動規範はこちらです。
tracpath(トラックパス)のサポートチームは「返信の速さが信頼の証」だという意識を持ち、技術的な質問以外は早ければ2,3分、遅くても1営業日以内にご回答させていただき、技術的な質問は開発チームに確認した上で、しっかりと答えをご用意致します。
当社が東京都内にオフィスを構えているため、直接お伺いできる範囲は限定されてしまいますが、極力対面でサービスの説明や導入提案をさせていただき、お客様のご希望に添えるように努力致します。ご不明な点があれば、tracpathサポートチームまでご連絡下さい。
また、クラウドサービスの弱点はインターネット回線の問題やサービスの問題など、一つでも障害が発生すると、利用者はサービスを使うことができなくなってしまうという点ですので、tracpathでは利用者様に向けて積極的に情報公開を行なっており、十分に対策を実施しても防ぐことができない障害、事前に対策が可能な障害、そして、サービス向上のための計画停止など、公開できる情報はどんどん公開していくことを心がけております。
・「ニュース」tracpath の新しい機能やお知らせを行うページ。
・「メンテナンス」バージョンアップに伴うシステムメンテナンスやサーバ増強時の計画メンテナンス。
・「障害情報」システム障害や回線障害など、システムに致命的な問題が発生したときなど迅速に情報を公開します。
オープングルーヴはウェブの良い面と悪い面をしっかり理解した上で、極力顔の見えるサポートを心がけております。あるイギリスのリサーチでは対面で話し、笑顔を共有することは、メールや電話だけでコミュニケーションを取るよりも幸福度が50%も高いという結果が出ていますので、開発者の顔がみたい、対面でしっかり説明してほしいという方はぜひお問い合わせ下さい。