ITサービスの品質向上、継続的な改善を実現するには、ITILプロセスに基づいたITサービスのライフサイクルが重要になります。 tracpathによるチケットシステムは、ITサービスに関わる情報(イベント管理、インシデント管理、問題管理、変更管理、リリース管理、構成管理) を一元管理することが可能です。
システムの開発からテスト、本番移行、サービス提供後の運用フェーズで発生したトラブルとナレッジを共有することで、継続的な改善とITサービスの品質を向上するライフサイクル管理を実現することができます。
ITサービスのサイクル
ITサービスのサイクル
ビジネスリスクの低減のためにもITサービスの品質向上と継続的な改善を実現するには、ITILプロセスに基づいたITサービスのライフサイクルが重要です。
トラブルは可能な限り未然に防ぎ、トラブル発生した場合は迅速に対応することでビジネスリスクは大きく低減します。
さらに、ITサービス部門が自らベストプラクティスを採用したライフサイクルを回すことで継続的な改善が可能になります。tracpathによるライフサイクルを以下のように考えています。
ITサービスの品質向上、継続的な改善活動を行うことは、自分たちの会社やチームにあったベストプラクティスを作り出すことです。ベストプラクティスを継続することが「ITシステムの安定稼働」と運用保守にかかる「コスト削減」につながります。
ITILは企業活動であるIT運用をITサービスとして実践するための成功事例(ベストプラクティス)を集めた世界的なガイドライン ITIL(Information Technology Infrastructure Library) のことを指します。
さらに詳しく知りたい方は解説ブログへ「ITサービスマネジメントのITIL(アイティル)とは? を解説」
企業のITサービスとシステム運用の現場では多くのイベントが発生します。イベントは3つのタイプに分類できます。それは、情報(Information)、警告(Warning)、例外(Exception)です。
この3つのタイプはITサービス、システム構成、ハードウェアや監視ツールで生成されるアラートや通知から検知することが出来ます。イベント管理では、3つの「情報」「警告」「例外」を正しく区別し、検出した後のオペレーションを決めておくことでITサポートチームのメンバーに対処を行うよう依頼することが可能です。
イベントは発生したときに手動登録だけでなく、外部システムからメールやAPIを経由して連携することが可能です。日々発生するイベント管理の作業工数を大幅に削減することが可能です。
イベント管理の機能と特徴は、以下の通りです。
インシデントとは、ITサービスとして提供しているハードウェア、ソフトウェアに対して標準の運用に当てはまらないイベントのことです。
インシデント管理とはサービス品質を低下、予期せぬ中断によりサービスを提供できない状態が発生した場合、速やかに解消することで影響を最小限にするために行うITサービス部門のサービスです。
インシデント対応は、障害発生時に必ずしも恒久的な対応を行うわけではありません。可能な限り迅速に通常のITサービスを回復させるために必要な応急処置を行う場合が多く、目標は一刻も早くビジネス活動が可能な状態にすることです。
通常の状態に戻った後、恒久対応の検討、再発防止、過去のインシデントをナレッジとして活用します。tracpathのチケットシステムはインシデント管理に求められている緊急時の対応とナレッジの蓄積に効果を発揮します。
問題管理は過去のトラブルやインシデントを整理して再発時の調査や対策に役立てることです。インシデントの対応時に恒久的な対応ではなく、ビジネス活動の早い普及を優先したときの対応(ワークアラウンド)を提示してビジネスへの影響を最小限にします。またインシデントが起こる可能性を見つけ出し、問題発生する前に対策を実施することを言います。
問題管理とは再発防止の手段を確立することを目指すプロセスです。
ITサービスは、どこで何が起こっているかを把握することが重要です。ITシステムやサービス、リソースの現在の状態をきちんと把握することができなければ、サービスの品質を維持することはできないからです。これが変更管理になります。
変更管理では、インフラストラクチャーの追加・削除・変更はすべて変更管理の対象です。ITサービスの導入や機能追加・変更・削除もすべて変更管理の対象です。
変更管理は、現行のITサービスやシステムに対する追加・更新・削除をワークフローという形で管理し、ITサービス部門の運用ルールを与えます。
運用を行っているITサービス部門の過去から現在までのプロセスやインシデント・問題管理の発生から解決までの変更を記録し蓄積します。
リリースはITサービス部門として変更が承認されたときに、サービス環境(本番環境)に対して実施します。リリースにおいてツールの役割は少なく、ベストプラクティスに従えばリリース管理の活動は、
リリースは、ソフトウェアとハードウェア、インフラストラクチャーすべてを含みます。リリース管理はITサービスの規模、対象に合わせて最適な仕組みを構築することになります。
構成管理は、ITサービスのライフサイクルで管理すべき情報である「ハードウェア」「ハードウェア構成」「ソフトウェア」「インフラストラクチャー」「ネットワーク」「マニュアル」「SLA」その他にも運用手順書などの文書も含みます。日々本番環境やサービスに関する情報をメンテナンスし、最新で正確な情報をITサービス部門に提供することが構成管理の目指すところです。
構成管理はITサービス部門に必要な情報とその情報を最新に保つための仕組みを提供します。