(Photo by:insatiablemunch)
昨年イギリスで発表された食の消費に関する研究によると、イギリスの国民は年間で300億ボンド(約5兆6千億円) をテイクアウト(持ち帰りのフード)やファーストフードに消費し、イギリスのある町の住民は年間平均で、156回、テイクアウトを利用しているそうで、テイクアウトをする食習慣が、加速度的に定着しつつある背景には、ヨーロッパを中心として急成長しているオンライン・フードオーダーサービスがあります。
このサービスは、プラットフォームとなっているオンライン・フードオーダーサービス会社のウェブサイト、もしくはダウロードしたアプリで、エリアの郵便番号を入力すると、サービスに登録している指定エリアのさまざまなレストランが表示され、利用者がレストランのメニューを選んで注文し、希望の場所への配達か、そのレストランへ自ら受取に行くかを選べるといったシステムになっています。
↑テイクアウトのシステムが圧倒的に発達しているイギリス。(Photo by:Noodles and Beef)
オンライン・フードオーダーサービスを運営する「RushOrder」のCEOであるErick Kim氏によると、2012年から2013年に、この種の会社への投資額は250億~460億ドルであったのに対し、2014年にはその10倍以上、さらに2015年は5月の時点ですでに2014年の倍近い額の投資活動が行われたそうで、このような急激な成長度合いはなかなか見られない現象だと語っています。
イギリス最大のオンライン・フードオーダーサービスを提供する「Just Eat」は、そのサービスをヨーロッパ15ヵ国とアメリカにも拡大し、2013年には36,000店のレストランがこのサービスに登録をして4億もの数のオーダーを請け負いました。
2012年にドイツのベルリンで設立された同サービス提供会社の「foodpanda」は、欧州からアフリカ諸国、東南アジアに広がり、設立から2年足らずで世界40カ国、45,000店ものレストランと共に事業展開に成功し、2014年5月のデータによると、全体で約4億8千万ドルの利益を上げています。
↑オンライン・フードオーダーサービスを通じて、1年で4億回ものオーダーが行われている。(Photo by:Steven Depolo)
オンライン・フードサービスを手がける多くの企業が世界をまたにかけて事業展開しており、ドイツ拠点の「Delivery Hero」も2011年の設立以降、14カ国に6万店舗の登録数を誇り、そこでCEOを務める Niklas Ostberg氏は今後もオンラインフード事業がマーケットを拡大するとして、次のように述べています。
「毎月500万食を4つの大陸で配達していて、それは1秒に1つの注文を処理していることに相当する。この事業の競争相手が、私たちの成長ペースについてこれることを期待する。」
↑食事を取るために、もう並ぶ必要はない。(Photo by:Jon Bunting)
近年スマートフォンの普及によって、レストランを選ぶ消費者は、よりインターネットを使う傾向にあり、あるデータによると、インターネットでのテイクアウトの注文は、対面での注文よりも平均して30%ほど注文金額が高くなり、オンライン注文を請け負うレストランの注文数は月に11%ほど増加する傾向が見られ、また、オンライン上でレストランを検索した人のうち64%は、検索してから1時間以内で購入に至るそうです。
利便性と共にオンライン・フードサービスが高く評価されているのが、消費者の健康や味の嗜好をもとに検索が容易にできることで、オンライン検索では、低脂肪、減塩、そして、低糖分等の健康を意識したものや、最近人気が高まってきているギリシャ料理やアフリカ料理などのエキゾチックでヘルシーなメニューの注文が好まれる傾向にあり、多種多様なレストランから選べるオンライン・フードサービスは、消費者に食の楽しさを味合わせてくれます。
↑栄養のバランスから料理の種類まで、選択肢は様々。(Photo by:Meng He)
一方で、レストラン経営者にとっても、オンライン・フードサービスを使うことでの経営的なメリットは大きく、たとえばチェーン店のようなビジネス展開をしていない町の片隅にあるレストランにとっては、インターネット上に独自で宣伝広告を出すような宣伝活動は難しいですが、このサービスに参加することで広告費を最小限に抑えて効率的に顧客を開拓することができます。
(Photo by:Mark Turnauckas)
アメリカのテクノロジー情報サイトのテッククランチによると、テイクアウト・フードは700億ドルの市場価値があるとされていますが、そのうちの85%以上の約600億ドルが、いまだ、「オフライン上で行われている」つまり電話や対面での注文によるもので、ある別の統計によると、オンラインフードサービスの最大手「GrubHub」のニューヨークでの認知度は55%に留まっています。
しかしながら、専門家は、2012年からのオンライン・フードサービスの上昇傾向から、今後数年でオンライン上の注文がオフラインを上回ると予測しており、なんとアマゾンも水面下で参画を進めているのではないかという噂もあります。
嗜好がバラバラの仲間との食事に、残業中の職場で、またはどこか旅先で外食を思いついたときに、好きな場所で好きな食べ物を手軽に楽しむことができる時代が、すぐそこまで来ているのかもしれません。
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