(Photo by:Marc Nozell)
ここ20年で、インターネットにアクセスできるPCやスマートフォンが一気に普及し、24時間インターネットに繋がっているのが当たり前になりましたが、実際、まだ世の中に存在する99%のモノはインターネットに接続されておらず、次の数十年で車や家、そして家具など、様々なモノがインターネットに接続され、私たちの生活を大きく変えていくことが予想されます。
アメリカのオバマ大統領も2013年、国民に向けたメッセージの中で次のように述べています。
President Obama asks America to learn computer science (Youtube)
「ビデオゲームを買う代わりに、自分で作ってみよう。最近のアプリをダウンロードする代わりに、デザインしてみよう。プログラミングを学ぶことはあなたの未来のためだけじゃない。国の将来がかかっているのだ。」
↑プログラミングには国の未来がかかっている (Photo by:Steve Jurvetson)
スティーブ・ジョブズは「思考のプロセス」をプログラミングに例え、プログラミングを学ぶことで、「考え方」を学んでいったそうですが、NTTドコモ執行役員の栄藤稔さんも、次のように述べています。
「英語を話すようにコードを書くという技能は、必須だ。江戸時代は読み書きそろばんだったが、今は英語とコードの読み書きである。なぜなら世界はソフトウェアでできているからだ。」
↑プログラミングを学ぶことは「思考のプロセス」を学ぶこと(Photo by:Erik Pitti)
IT先進国へと大きくシフトしたイスラエルでは、2000年から高校でのプログラミング教育は必修にしていますが、東京大学教授の坂村健さんによると、近年、コンピューター分野でイスラエルは非常に強力になり、世界中の企業がセキュリティーや軍事分野で、イスラエルの技術を競って購入する状況が続いていると言います。
イスラエルは、今や「中東のシリコンバレー」と呼ばれ、科学者が評価する世界の研究開発機関の質ランキングでも、世界一になっており、ハイテク銘柄の多い米ナスダック市場に上場している企業数は、日本が16社であるのに対し、イスラエルは88社となっています。
↑人口も国土も小さいが、ITで圧倒的な存在感を見せるイスラエル(Photo by:High-tech4)
プログラミングを学んだからと言って、全員がプログラマーとして仕事をするわけではありませんし、かのスティーブ・ジョブズも、プログラムはほとんど書いたことがなかったと言われていますが、それは特に大きな問題ではありません。
DeNA取締役ファウンダーの南場智子さんは、次のように述べています。
「自分の手でアプリを作ることはできなくても、アプリが作られる過程や仕組みはわかっていてほしい。それだけでも、発想はずいぶん広がるからです。」
↑プログラミングの仕組みがわかれば、発想は大きく広がる。(Photo by:Sebastiaan ter Burg)
プログラミングはブロックや積み木と似ていて、一つの模範解答があるわけではなく、たくさんの別解がある可能性があるため、世の中の全てのものをプログラミング基準で考えることで、ゼロから新しい何かを創り上げることが可能になります。
株式会社ZUUのCTOであり、オーケストラの指揮者でもある後藤正樹さんは、次のように述べています。
「ITとクラシックで新しいことがやりたいですし、ZUUも金融とITという遠かったものを近くにするところが、面白いんですよ。」
↑プログラミングはブロックと変わらない(Photo by:fabian.kron)
日本でも毎週のようにIT企業が上場し、毎日のように新しい技術やアイデアが生まれ進歩していく中で、製品のリリースが少しでも遅れると、あっという間に別の会社に出し抜かれてしまう可能性があり、松林弘治さんは著書「子どもを億万長者にしたければプログラミングの基礎を教えなさい」の中で、Instagramの成功について次のように述べています。
「Instagramの成功の裏には、思いついたことをすぐにプログラミン グでき、すぐに製品という形にできたこと、つまり創業者の二人が共にプログラミングできたことが、とても大きな要因としてあったのです。」
↑Instagram「成功の要因は、創業者の二人ともにプログラミングのスキルがあったこと。」(Photo by:Jason Howie)
イギリスでは、2014年からプログラミング教育が義務化され、日本でも2014年からDeNAと佐賀県武雄市が協力し、小学1年生のプログラミング教育を試験的に開始しましたが、今までの「読み、書き、そろばん」に求められていたような「早く、正確に」という能力とは全く違うものが、社会を動かす時代になろうとしているのかもしれません。
プログラミングは10人いれば、10通りのものが出来上がり、見本や正解がありませんが、DeNAの南場智子さんは、「日本の学校教育は、戦後の復興で世界の工場となるべく“間違えない達人”を大量に育ててきました。おかげで加工貿易立国として日本は成長を遂げたのですが、今はもうそんな時代ではない。」と述べています。
↑21世紀に“間違えない達人”は必要ない(Photo by:ScratchEd Team)
サッカーや野球を始めた誰もが、大リーグやJリーグの選手になるわけではないように、プログラミングに関しても、誰もが天才エンジニアやハッカーになれるわけではありませんが、ただ観戦するよりも実際にプレーした方が、明らかに多くのことを学ぶことができます。
そういった意味でも、プログラミングとスポーツは似たところがあるのかもしれませんし、「正解は一つではない」ということに慣れておくことが、現代社会の様々な問題解決にもつながっていくのではないでしょうか。
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