(Photo by:Archives Foundation)
2013年に日本で「子供にスマートフォンを買い与えるとしたらどのような条件をつけるか」というアンケートがなされたところ、全体の72.5%の親が挙げた条件が「課金サイトを利用しないこと」、次いで「ショッピングサイトなどで買い物をしないこと」だったと言います。
多くの日本の親が気にかけているのは、子供のスマホ使用が家計に与える影響のようで、ネット犯罪に関する危機意識はまだ欠けていると言わざるを得ませんが、2012年に行われた調査によると、アメリカでは、ティーンの子供を持つ父親の49%、母親の51%が子供の情報通信機器の利用を制限して監視する「ペアレンタル・コントロール」を実施した経験があると答えており、意識の違いは明白です。
↑ジョブズも子供にiPadなどは与えなかったという。(Photo by:David Geller)
アメリカにおけるネット犯罪では、性犯罪者の26%は子供の居場所をSNSで知り、7人に1人の子供はネット上で何らかの性的な誘いを受け、その半分以上の子供はさらに写真を送るように求められおり、中には性的に露骨なものの要求、脅迫まがいの行為すらあると言います。
実際に日本でも、内閣府政府広報室によると、2014年にネット犯罪に遭った児童のうち、87.6%がスマートフォンを使ってコミュニティサイトにアクセスしたと言われています。
さらに、子供がスマートフォンを利用することについて、全体の71.9%の親が「大きな不安を感じる」と述べているにもかかわらず、コミュニティサイトに関わる犯罪被害に遭った子供のうち半数以上が保護者から何の指導も注意も受けていませんでした。
↑性犯罪の90%近くが、コミュニティーサイトから。(Photo by:Vernon Chan)
多くの親はこうした現状に鑑み、子供のネット使用をモニタリングし、フィルタリング機能などによって脅威をもたらすものをブロックすべきだと主張します。
しかし、興味深いことに、多くのネットワーク管理の専門家たちは、親がベストだと考えるような監視したり、詮索したりするような対策よりも、オープンに話し合うことの大切さを強調し、例えば、インターネットセキュリティ会社の上級研究員、David Emm氏は「子どもたちがインターネットに関する何かをしたがり始めたら、早い時期にインターネットの安全な使用方法について議論することを始めることが重要」と言います。
↑どれだけ監視の目を光らせても、子供は自由を求めて抜け道を見つける。(Photo by:Pedro Ribeiro Simões)
親は、子供との関係において、何がコントロール可能で何がそうでないかを見極めることが重要で、子供が最終的にどうするかというコントロールできない部分を支配しようとする努力をしても「だめ!」と繰り返して疲れ果てるだけで、子供を観察して行動を予測し、選択の機会を与えるような働きかけをする自分をコントロールするほうが効果的です。
サイバー警備会社NCCグループのテクニカル・ディレクターPaul Vlissidis氏に至っては、「子供のインターネット使用に関してフィルタリングも、詮索や時間制限も全く必要ない」とまで言い放ち、「重要なのは前もってインターネットの危険について話すことであり、基本的に子供たちを信頼している」と述べます。
インターネットの危険について知り尽くしている彼らが述べるこうしたアドバイスは一聴に値し、実際、インターネットの使用に限ったことではなく、子どもたちは隠されれば隠されるほど知りたくなり、禁止されればされるほど、やってみたいという好奇心が刺激されるものです。
↑禁止すればするほど、子供の好奇心は刺激される。(Photo by:Pink Sherbet Photography)
親や教師向けにアドバイスを与えるサイト「Webwise」によれば、子供にインターネットの安全な使用を学ばせるためには、早いうちから親がインターネットを積極的に利用しているところを見せ、子供と一緒にインターネットを使い、子供が年齢制限の課せられたサイトに接触したときにその条件を一緒に読み、どう決定すべきかを助けるようにとアドバイスしています。
↑子供自ら、考えることの大切さを育ませる。(Photo by:Fort George G. Meade Public Affairs Office)
子供が小さい頃から、インターネットの使用に関してオープンで心を砕いた話し合いがなされていれば、フィルタリング機能も、親の監視や詮索も必要なく、子供は危険を回避するために頭を使い、自分でインターネットを操れるようになるのではないでしょうか。
親子関係について8冊の著書を持つRon Taffel博士は、親が子供と効果的にコミュニケーションをとるためのスキルの一つとして、子供のつくり上げる物語に意識を集中し、詳細部分にまで関心を払うように勧めますが、上から目線で規則を作ることには慣れていても、子供と対等になって話すことは苦手という親にとっては、インターネットというコントロールの難しい問題についてオープンな話し合いを積み重ねることが、親子の信頼関係を築くきっかけにもなるかもしれません。
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