(Photo by:nicanicasather)
ホワイトハウスでは1800年からクリスマスを祝っており、今年もナショナルツリーがライトアップされるそうですが、
クリスマスのデコレーションによって米国の都市部の電気の使用量は、20-50%も増えると見積もられています。
ニューヨークでは、「光害」といって、過剰または不要な光によって動物や植物の生態系への影響も危惧されており、また資源の無駄といったエネルギー面での被害も深刻で、市議会議員のDonovan Richards Jr.氏は、「20階以上のビルにおいて、深夜0時以降、誰もいない場合は消灯する」ことを求めています。
↑クリスマスシーズンにおいては、米国の都市部では、20-50%も電気の量が増える。
(Photo by:GoToVan)
「摩天楼の夜景」と称される夜のニューヨークは、眠らない街としての誇りのようなものも感じさせますが、ニューヨーク市は2050年までに温室効果ガスを80%削減する議案を通過させていることからも、今後は光害への取り組みが一層推し進められると考えられます。
ヨーロッパの主要都市でも光害の影響は深刻に受け止められていて、すでにパリでは、オフィスや店舗の深夜消灯が、数年前より義務付けられています。
イギリスでは、ウォリックシャー州で夜間に街頭を消した地域における調査では、消灯前と比較すると、CO2の排出量では2800トンの削減、電気代は目標を上回る約1億円の削減となっただけではなく、反社会的行為、不法侵入、暴力的行為、そして自動車犯罪など、多くのカテゴリーで犯罪が減少したことも明らかにされたことは、驚くべきことといえるでしょう。
↑夜間に街頭を消した地域では、電気量、CO2、犯罪率が大きく低下。(Photo by:Zengame)
子供の頃、学校の授業で、宇宙から撮影した夜の地球の写真を見たことがある人も多いかもしれませんが、宇宙から見える地球の明かりは、地球上の人々の活動を表すものとして、NASAでは3年かけて地球から届く明かりのデータを取っており、「明かり」は街の人々のコミュニティの活動を映し出す指標となることを伝えていて、さらに、NASAは、LEDライトと通常のライトの明かりを判別し、地球の明るさと環境への影響をリサーチしていく意向のようです。
実際、白色LEDの影響によって、体内時計が明るさによってリセットされずに、覚醒や体温、ホルモン分泌などの生体リズムを乱したり、ガンリスクを上げる危険性を高めたりする可能性が指摘されており、世界中でどのようなタイプの照明が普及していて、光害として環境や人体の健康にどのような影響を与えているかについて調査することで、人類の未来が明るくなっていくことが期待されます。
↑光害は意外と体や環境にダメージを与えている。(Photo by:Kabacchi)
クリスマスの明かりも、1800年代に、電球が発明され普及したことで、クリスマスキャンドルはデコレーションのような扱いになりました。しかしながら、昨年NASAが報告した宇宙から見えるクリスマスの明かりの調査は、海外のテレビ局からTIME誌まで、世界的なメディアによってこぞって報道され、大きな反響を呼んだように、これまでクリスマス前に大量にデコレーション用ライトをを購入してきた人たちの中に、クリスマスキャンドルの歴史に引き継がれてきた「明かり」の意味を見直す動きが見られ始めています。
累計8000万部を売り上げるベストセラー作家であり、キリスト教の伝道者でもあるマックス・ルカードの作品で、2013年に映画化された小説「クリスマスキャンドル」では、電球が発明される以前のクリスマスのキャンドルの明かりは、ただ手元を照らすだけでなく、「聖なる光」として、希望のような意味合いも含んでいたと、次のように描写されています。
「キャンドルメーカーは、昼夜問わず、心をこめ、祈りをこめて、キャンドルを作り続けます。エンジェルは、それを最も必要としている者を選び、選ばれし者はキャンドルを受け取り、ただ一言こう告げられるのです。”火を灯し、祈りなさい。”」
↑ライトとろうそくでは、色々と意味合いが違ってくる。(Photo by:Ben Sutherland)
この小説の舞台となった17世紀と比べると、現代では、光は格段に多くの人に届くようになり、ロイター通信で、クリスマスのイルミネーションでトップ10にランクインしているスウェーデンのリセベリでは、クリスマス前の1週間に500万個の電球に明かりが灯り、神戸でも20万個の電球が使われるともいわれていますが、星が見えないほどに輝くイルミネーションが、キャンドルに代わって未来への希望や祈りとなっているのかを、改めて考える時期に来ているのかもしれません。
国際宇宙ステーション(ISS)に滞在している宇宙飛行士が撮影した夜の街明かりの画像では、建物や道路の明るさだけでなく、従来は測ることが難しかった四方八方に放出されるかすかな散乱光も調べることができるようになっていて、テクノロジーの進歩により、環境への負荷が生まれながらも、同時に、そうした環境問題を正しく分析し、解決するのもまた、テクノロジーのなせる業なのではないでしょうか。
↑新しい技術が産んだ問題は、新しいテクノロジーが解決。(Photo by:NASA Goddard Space Flight Center)
グーグルやアップル、そして、フェイスブックのような巨大テクノロジー企業が、世界共通のプラットフォームを形成しつつある今、国家という枠を通り越して、いわば「グローバル共同体」の一員として、地球を守るという意識で行動を起こしたいと考える人が出てきており、宇宙から見えるクリスマスの明かりの調査が伝えられることは、そういった人たちの行動の源泉となり、次世代の人々の希望となるのです。
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