odooの紹介
odoo(旧称OpenERP)はオープンソースのERP兼CRMです。豊富な機能を備えた業務アプリケーションスイートとして高い評価を得ています。
Odooには3つのプランがあります。機能が制約されているがフリーで利用できるオープンソース版のCommunity、機能を選択できる有料版のEnterprise、Enterpriseのホスティングサービス版に当たるOnlineです。Onlineはユーザー数と利用機能によって料金が変動する仕組みが採用されており、必要な機能だけを選択して費用を抑える事が出来ます。
この記事ではオープンソース版のCommunityを紹介します。
無料版の主な機能を紹介
odooでは個々の機能がアプリケーションとして提供されています。Communityで利用できる機能を紹介します。
- 請求・支払い管理
- プロジェクト管理(タスク・イシュー管理)
- CRM
- セールス管理
- 顧客ポータル機能
- 従業員管理
- 経費管理
- 離職・採用管理
- 在庫管理・購買管理
- 生産管理
- Eメールマーケティング
- イベントスケジュール
- マーケティング費用管理
- ライブチャット
有料版のEnterpriseでは利用できる機能が大幅に増えます。Enterpriseではカスタマーサポートで必要になるヘルプデスクや、プロジェクト管理で必要になるガントチャート機能などが利用できます。
odooのインストール方法
それではUbuntu16.04に最新版のCommunityをインストールします。Odooから提供されているdeb形式のパッケージを利用します。
パッケージでインストール
以下の一連コマンドを順番に実行して下さい。odooのナイトリービルドからパッケージ情報を取得し、aptでインストールできる状態にします。
$ wget -O - https://nightly.odoo.com/odoo.key | sudo apt-key add - $ echo "deb http://nightly.odoo.com/10.0/nightly/deb/ ./" > odoo.list $ sudo mv odoo.list /etc/apt/sources.list.d/odoo.list $ sudo apt-get update
以下のコマンドでインストールを行います。インストールに成功するとサービスに登録され自動的に起動します。
$ sudo apt-get install odoo
設定ファイルの変更
設定を変更する場合は/etc/odoo/odoo.confを編集します。
$ sudo vi /etc/odoo/odoo.conf
設定の変更後はサービスを再起動して下さい。
$ sudo service odoo restart
データベースの作成
http://localhost:8069でアクセスするとデータベース作成フォームが表示されます。
パッケージインストールの中でPostgreSQLサーバーがインストールされており、PostgreSQLのユーザーodoo(パスワード: odoo)が作られています。
データベース作成フォームからodooで利用するデータベースを作りましょう。
データベース名をodooにして言語と国に日本語を選択します。Emailとパスワードはログイン情報になりますので自由に入力して下さい。
チェックボックスのLoad demonstration dataを入れるとデモ用の初期データが登録されます。今回はチェックを入れてデータベースを作ります。
数10秒~数分待つと無事にデータベースが作られアプリ一覧ページに移動します。データベースの作成に成功です。
機能紹介
CRMの紹介
CRMアプリをインストールして見ます。アプリ一覧ページに表示されているCRMのインストールボタンを押すとインストールが始まります。アプリ一覧ページに遷移するにはページ上部にあるナビゲーションの「アプリ」を押します。
暫く待つとCRMのインストールに成功してディスカッションが表示されました。ナビゲーションにディスカスとカレンダー、そして販売が増えています。
ナビゲーションから「販売」リンクを押すとCRMのダッシュボードが開きます。
CRMらしいページが表示されています。CRMと言えば営業管理と顧客管理ですので、まず左メニューにある顧客を押して顧客一覧を開きます。
顧客一覧ページには初期登録されているデモ用の顧客情報が並んでいます。
顧客の詳細ページを開くと、CRMで良く見る顧客管理らしい情報が並んでいます。
左メニューの「レポート>活動リンク」を押すと、CRMで良く見る営業状況のサマリーが表示されます。表示項目の変更や追加も可能です。
チャートに切り替えて表示できます。以下のキャプチャは分析対象を営業確度に切り替えています。
SFAやCRMで良く見る営業状況のパイプライン分析が標準機能で備わっています。絞り込み検索も可能です。
請求管理の紹介
ERPらしい機能として請求管理アプリをインストールして紹介します。
ページ上部のナビゲーションから「会計」を押すと請求書管理ページが開きます。初期データが登録されていませんので作成ボタンを押して請求書を登録します。
請求書の登録フォームが開きますので、顧客と支払い条件、請求日、初期登録されている商品を選択し、数量を選択すると新しく請求書を発行できました。
請求書を印刷用レイアウトで出力できます。
プロジェクト管理
簡単なプロジェクト管理がアプリ一覧ページから「プロジェクト」をインストールします。初期登録されているプロジェクトが一覧で並んでいます。
プロジェクトを1つ選択して開くと、かんばん方式のタスクカードが並んでいます。このタスクカードはドラック&ドロップで移動できます。
タスクをダブルクリックすると、タスクの詳細が開きます。変更履歴が自動的に保存され、メモを追記する事ができます。
開発者向けとしては機能がやや物足りない印象ですが、営業や運用スタッフとタスクを共有する目的では十分に利用できそうです。
まとめ
odooはとても汎用的で豊富な機能を備え、ERP/CRMの領域を広くカバーするソフトウェアです。オープンソース版のCommunityでテスト運転を行い、実際に導入・運用する場合には有料版に切り替えるのも良さそうです。
参考情報
https://www.odoo.com/
https://github.com/odoo/odoo
https://www.odoo.com/page/tour
https://www.odoo.com/page/editions
https://www.odoo.com/documentation/10.0/setup/install.html
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