オープンソースかつ無料で使えるイメージが強いDevOpsツールですが、DevOpsツールの開発ベンダーによるエンタープライズ向けプロダクトやサードパーティーによるSaaS/PaaS/IaaSが徐々に充実してきました。
ここでは有名なプロダクトやサービスをピックアップして紹介します。
Docker Cloud
仮想コンテナで有名なDockerが提供しているコンテナの運用と構成管理を行うサービスです。Dockerで作られたコンテナアプリケーションをクラウドサービス(AWSやAzure等)へ自動デプロイし、その後のサービス監視やスケーリングを行えます。
Docker社のプロダクトらしく、Docker Hubに登録されているイメージを使ってサービスを作成できます。ウェブUI以外にもCLIやREST API/ Stream APIでDocker Cloudを操作できます。
既にDocker Hubを運用で使っている方であれば、Docker Cloudを使うとアプリケーションサーバー管理から継続的デリバリー環境構築をシームレスに実現できます。
Chef Automate
Chef が提供しているChef / InSpec / Habitat / Chef Delivery / Chef Complianceを包括的に扱い、継続的デリバリーを安全に自動化します。
具体的には、デプロイの可視化、開発環境から本番環境への移行、本番環境にデプロイする前にコンプライアンス上の問題を特定、Chef Automateはコンプライアンスプロファイルを含んでおりノード状態がポリシーに忠実かどうかの観点で可視化等が出来ます。
テストフレームワークのInSpecがワークフローに組み込まれているのと、コンプライアンスを意識した検証機能が含まれています。
Ansible Tower
構成管理ツールを開発しているAnsible社のプロダクトがAnsible Towerです。AnsibleはCLIから操作する印象ですが、このプロダクトはウェブUIでAnsibleの操作が可能です。
スケジューラーとジョブの管理、またジョブ実行状況のリアルタイム更新、Slack / HipChat / PagerDuty / メール等での通知機能、AWSやMicrosoft Azureなどクラウドプロバイダーと連携したインベントリー管理等、Ansibleを使ったDevOps運用で必要とされる機能を提供します。
自社内で継続的デリバリー環境を新規に構築するよりも、Ansible Tower で提供される環境を軸にして環境構築を行い、機能不足があればREST APIを使って補う方法があります。
Google Stackdriver
https://cloud.google.com/stackdriver/?hl=ja
複数クラウド(Google Cloud PlatformとAWS対応)の統合モニタリング・ロギング・診断を行うツールです。
DevOpsが抱える課題の1つに複数クラウド環境を横断したモニタリングの複雑さがあります。
構成管理ツールによってデプロイとオーケストレーションが簡略化されつつありますが、運用中のアプリケーションやミドルウェアで起こるエラー通知・アラート処理やログ解析はデファクトスタンダードと呼べるサービスが少なく、各クラウド環境内のモニタリングやIBM Tivoliのようなプロダクトが採用されています。
StackdriverはGoogle Cloud Platformのみ、またはAWSを併用してサービスを運用しているチームがモニタリングで抱える問題の多くを解決します。
HipChatやSlackやPagerDutyなど既に運用しているメッセージングアプリへの通知も可能です。
またログをGoogle BigQueryに出力する事で数TBのデータも高速に集計やフィルタリングする事が出来ます。エラー原因の特定を急いでいるのにログ解析に時間がかかる、データ ウェアハウスにログを移すのに待ち時間がある等の問題への対処も可能になります。
結論
DevOpsでリーダーシップを発揮している各社が投資から収益化のフェーズに入ってきているのか、継続的インテグレーション・継続的デリバリーを堅実かつ安全に行うためのプロダクトが増えてきています。
DockerやAnsibleなど、まずは手が届く範囲で試して気に入ったら検証環境でテスト、そこでも問題がなければ本番環境への適用を行い、安全性が担保できれば適用範囲を広げて行く運用の流れがあります。
もしも運用上の問題が見つかっても、本番環境に取り入れたDevOpsツール(運用ツール)は簡単には変更できなくなりがちです。この問題をプロダクト版に切り替える事で解決できるのであれば、他社ツールへの切り替えよりも安心できます。
ここで紹介したプロダクトは運用上で必要とされる機能を包括的に提供しており、DevOpsツール運用上の懸念や心配、技術的な障壁を下げる効果があります。
学習コストが高い、サポートが心配、運用が大変そうとDevOpsツールを敬遠していた組織もプロダクトを見てみると使えそうと安心するのではないでしょうか。
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