(Photo by:Sebastiaan ter Burg)
仕事のミッションが異なる2者をつなぐ開発の文化
DevOpsは開発(Development)と運用(Operations)の目的の違いを理解し、同じ目標に向かって協働するための開発の考え方(文化)です。
いわゆるアジャイルソフトウェア開発やスクラムなどの開発手法とは異なり、ソフトウェアのライフサイクル全般に関する「開発者」「運用者」「経営者」を含む、開発の文化のことを「DevOps(デブオプス)」と呼びます。
開発ツールや開発理念などの活用や運用もDevOpsに含まれます。
開発と運用。この2者はソフトウェア・システム開発に関して大きな溝があります。
↑チームを組んでビジネスのミッションを達成する。 (Photo by:Brian Neudorff)
開発のミッションと運用のミッション
開発のミッションは顧客やユーザーが求める最先端の機能をできるだけはやく市場にリリースすることです。新しい技術についていき、経営者層の要求に対して早急な対応が常に求められています。また、ビジネスのトレンドを追い続ける必要があります。
一方で運用側は、安定したサービスの提供が命題です。いかにして安定的に、継続的なサービスを市場に提供し続けることができるか。サービスを止めないことが大切なのです。
新機能のバージョンやアップデートを早期にリリースしたい開発者に対して、現在の安定性を重視する運用と品質を担保しなければいけないことが運用のミッションになります。
このように、両者には経営層から異なるミッションを与えられ、協調して推進していく役割が求められているのです。
↑複雑なタスクをコントロール。(Photo by:Steve Jurvetson)
1日に10回以上のリリース
DevOpsを最初に提唱したエンジニアによると、この開発と運用の協働によって、ミッションが統一され、スピーディに、1日に10回以上のサービスリリースが可能になったとのことです。同じゴールを目指すこと。そのためにはツールの選択と文化の共有が欠かせません。
DevOpsの原点と言われているFlickrのエンジニアが行ったプレゼンテーション「10+ Deploys Per Day: Dev and Ops Cooperation at Flickr」です。英語のプレゼン資料ですがおおよその内容は理解できるため一読することをお勧めします。大切なことはすべて含まれていると思います。
1日10回のリリースが必要なわけ
ビジネスのアイデアが生まれたときその最小単位の機能を実装し、顧客からの反応を元に改良を加えていく。そしてこのサイクルを繰り返すことで、徐々に完成に近づけていきます。何よりも早くアイデアを形にし、市場に放って市場のフィードバックを受けることと、それに対応してさらなる改良を加えることが不可欠となります。
そのため1日10回のリリースなどは市場の要求とも言えます。「とにかく作ること。」「フィードバックを受けること。」「改良すること」このサイクルをまわします。
これにより、「小さな失敗・小さな成功」を数多く積み上げていく事で、
「大失敗をすることなく」「顧客の求めるサービス」を、最短期間で提供することが出来るようになるのです。
↑時代が求めるファッションのトレンド。(Photo by:Art Comments)
DevOpsは時代の要請にあったムーブメント
DevOpsは特定のメソッドではなく、いわばひとつのムーブメントです。
市場からのフィードバックを何より重視し、顧客目線でサービスを素早くリリースしていく、しかも安定性と信頼性を維持したまま実現する、インターネット時代の考え方なのです。
今現在ではインターネットをリードする世界的な先進企業やスタートアップで自社にあった開発と運用のあり方を模索し始めました。将来、日本のソフトウェア開発の現場にも浸透していく考え方だと予想されます。
現にIBMはDevOpsのシステムやサービスをエンドユーザやIT企業向けに提供を開始しています。
市場のニーズを読み取り、顧客のリアルな声を反映していくことで社会にとってよりよいサービスを提供していくのです。
DevOpsは開発と運用の溝を埋めるだけでなく、経営層の考え、システムを利用する顧客、市場の要求、関係者のことなる目的に対する要求を実現するためのムーブメントでもあるのです。
まとめ
DevOpsはインターネット成熟期に向けた一つのムーブメントであり、
最新技術の利用とサービスの安定性、そして細かいフィードバックループで顧客満足を確認しながら
開発・サービス提供をしていくという、一つの”文化”ですらあるのです。
DevOpsの概要が分かったところで、次は、
DevOpsを実現する11の要素
こちらの記事で、実際にDevOpsを実現していくために必要なことを、確認してみてはいかがでしょうか。
ぜひ、こういった記事でDevOpsを学んで頂き、自社の開発に取り入れて実践してみてください。
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