(Photo by:Samuel Mann)
Ansibleは2012年3月に登場して、まだ4年ほどのツールですが多くの企業で利用されています。
クライアント企業名が公開されている訳ではありませんが、2014年で300社超の顧客を獲得したと発表されています。
ここではAnsibleの導入事例・実績を紹介していきます。
国内での事例1. DMM社
DMM社では、Macの環境構築や仮想マシンの環境構築にAnsibleを活用しています。
Ansible+Homebrewで開発環境を構築し、Ansible provisionerで仮想マシンを構築しています。
国内での事例2. ニフティクラウドC4SA
ニフティクラウドC4SAでは開発環境から本番環境へのエクスポートする仕組みにAnsibleを利用しています。
エージェントレスでSSHのみで利用できる点が評価されています。
国内での事例3. Line社
HadoopやFluentdなどミドルウェアのインストール、更新に利用しています。
小さくてシンプルなところと、Dynamic inventoryを評価しています。
Dynamic inventoryとは名前の通りInventory(ホスト先一覧)を動的生成する仕組みで、サーバー台数が固定されていない場合に利用される機能です。固定と動的の両方を合わせての利用も可能です。
技術提携の事例:RedHat社
AnsibleとAnsibleTowerはシームレスにRedHatの各プロダクトと連携しています。
- Satellite
- JBOSS
- RHEL
- OpenShift
- OpenStack
- CloudForms
詳細はhttp://www.slideshare.net/oohatatakahiro/ansible-1USE CASE: RED HATのページをご確認ください。
技術提携の事例:OpenStack
OpenStackとAnsibleは相性が良く、OpenStackのモジュールが多数登録されています。また次バージョンの2.0ではOpenStackの更新も多く含まれます。
技術提携の事例:Amazon Web Service
OpenStackと同じように、Ansibleはデプロイ先・プロビジョニング先に利用されるAWS(Amazon Web Service)のEC2や他サービスと連携するモジュールが充実しています。
AWS以外にRackspaceのサポートも充実しています。
(Photo by:Nori Norisa)
海外事例1. NASA
Ansibleはパートナーと共に政府を手掛けているようです。その中にNASAのAnsible Towerを使った事例がありましたので紹介します。
- www.nasa.govの更新作業に1時間以上掛っていたのが5分以下に短縮。
- 複数日かけてパッチ更新作業をしていたのが45分に。
- エージェントを使わずにほぼリアルタイムのメモリとディスクのモニタリングができるようになった。(エージェントベースのモニタリングツールを利用していたのだと思います)
- アプリケーションスタック(環境構築)に1~2時間かかっていたものが、1つあたり10分になった。
Ansibleは米国政府セキュリティ標準に準拠している、SSHのみで動作する、学習コストが短い、技術ではないスタッフがAnsibleのPlaybookを読んで何が行われているか分かる競合がある中でも特に活発なコミュニティがある点が評価されています。
詳細はNASA Case Study PDFまたはブログ記事をご確認ください。
海外事例2. HootSuite
HootSuiteは800万ユーザーを持ちフォーチュン500に選ばれる企業の75%が利用しているソーシャルメディアの管理ツールです。
HootSuite はDevOpsの構築のためAnsibleを利用しています。
Ansibleを使い始める前3>
- インフラ構築がスクリプト化されておらず、繰り返し再現できない状態
- サーバーの設定や構築に多大な時間を費やしている
- Ansibleを使い始める前までは「もしサーバーが止まったらどうしよう」といつも心配していた
Ansibleを導入した後
- Ansibleを使い始めて開発と運用の両方がとても安全に、意図した通りなった。
- サーバー構築を出来るのが1人か2人だったが、だれでもいつでもサーバー構築できるようになった。
詳細な事例はPDFファイルで公開されていますのでこちらをご確認下さい。
BinckBankでの事例
BinckBankは投資家向けの証券仲介を行うオンラインバンクです。自前で作ったシェルスクリプトをAnsibleに置き換えた事例です。
600台のサーバーがありデータセンターの複雑さに対処するため、シンプルでトレーニングを必要としない自動化ツールを欲しがっていました。
この事例ではAnsibleを導入した担当者が、バージョン1.0になる前からAnsibleを使っています。
Ansibleを使うと正しくインストールできている確信を持てるので、ITの視点から見て、スタッフが正しく本番環境へのインストールとテスト環境の構築ができるようになりました。
手作業でインストールしている時にいつも思う「本当に正しくインストールできているのかな?」といった心配が無くなり、とても広い心の平穏を与えてくれました。とあります。
詳細な事例はPDFファイルで公開されていますのでこちらをご確認下さい。
(Photo by:Roger Schultz)
まとめ
Ansibleを利用するにあたり導入実績は十分にあります。Ansibleはサーバーではないため「使おうとしたら停止していて復旧から始める必要があった」といった状況になりません。
依存関係も少なく基本的にはSSHでリモート接続しての操作を行うため、ホスト側の環境アップデートやモジュール更新の影響も受けづらいです。
Ansibleのサーバー・スケジューラーとして有料ですがAnsible Towerがあります。サーバー管理での実績もあります。
業務で導入するにあたり障害になりそうなのは、日本語の情報が少ない、日本事務所または国内代理店・パートナーが居ないためサポートを受けたい場合に少し困る点です。
ツールがシンプルなこともあって、機能面で導入の障壁となる点は比較的少ない印象です。
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