このような方におススメ
- アプリに組み込む日本語フォントを探している
- 合成フォントで利用して良い日本語フォントを知りたい
- 開発環境のフォントを変更したい
オープンソースの日本語フリーフォントはアルファベットで構成される欧文フォントほど数が多くありません。開発期間も長いプロジェクトが多く、高品質なフォントファミリーをオープンソースで公開する意義の重さを感じます。
フォントの紹介
源ノ角ゴシック (Source Han Sans)
Source Han SansはAdobe社とGoogle社が共同開発したオープンソースのフォントです。日本語と、韓国語と中国語(繁体字・簡体字)に対応した大規模なフォントです。
このプロジェクトはGitHubにホスティングされています。
参考情報
- オープンソースのPan-CJK書体
- プロジェクト
- ライセンス
- SIL Open Font License 1.1
源ノ明朝 (Source Han Serif)
Adobe社から鎌倉幕府の将軍っぽいネーミングのフォントが登場したと話題になりました。正しい呼び名は「げんのみんちょう」です。
源ノ角ゴシック (Source Han Sans)に続くオープンソースのPan-CJK書体です。
7つのウェイト(ExtraLight,Light,Regular,Medium,SemiBold,Bold,Heavy)が提供され様々なニーズに対応できます。
参考情報
- 源ノ明朝 オープンソース Pan-CJK 書体
- プロジェクト
- ライセンス
- SIL Open Font License 1.1
IPAexフォント(IPAフォント)
IPA(独立行政法人情報処理推進機構)から公開されているオープンソースなフォントです。ライセンス上の制約が少なく、比較的ですが自由に利用できる日本語フォントです。一定の条件を満たすとアプリケーションにバンドル(同梱)可能です。
明朝体とゴシック体の2書体が用意されています。
ウェブサイトが新しくなり、ライセンスや利用条件が「よくある質問とその答え」で分かり易くなりました。
Takaoフォント
IPAフォントから派生したフォントです。Ubuntu Japanese Teamが保守をしており、Ubuntuに同梱されている標準の日本語フォントでした。
IPAフォントのライセンスでは一部改変を加えたフォントを「IPAフォント」の名称で再配布できないため、フォントデザイナーのファーストネームを借りたTakaoフォントとしてUbuntuに同梱されています。
参考情報
- プロジェクト
- ライセンス
- IPAフォントライセンス
M+フォント
M+フォントはゴシック体の日本語フォントです。特定のライセンスを採用しておらず、完全に自由な利用が出来るフリーライセンスです。
アプリケーションへの組み込み、合成フォント、再配布、もちろん商用利用でもライセンスの問題になる事はありません。
合成フォントとして広く利用され、IPAフォントと合成したMigMix、Noto Sans CJKフォントの派生元である源ノ角ゴシック(Source Han Sans)と合成したMgen+があります。
- プロジェクト
- ライセンス
- フリーソフトウェア
オープンソースフォントの説明
ここまで4つのフォントを紹介する中で専門的な略語や登場しました。分かり辛い点を説明して行きます。
Noto(No more tofu)フォントファミリーについて
NotoはGoogleによって開発されたオープンソースのフォントファミリーです。美しくフリーなフォントを全ての言語で表示する目的で運営されています。
表示できないフォントが豆腐にならないようにするフォントファミリーを提供します。表示できない文字は豆腐の別名で下駄(〓)とも呼ばれます。
- プロジェクト
- ライセンス
- SIL Open Font License, Version 1.1
Noto Sans CJKとNoto Serif CJKについて
Noto Sans CJK とNoto Serif CJKは、GoogleとAdobeが共同開発した日本語、中国語(繁体字 / 簡体字)、韓国語を利用可能なフォントです。ラップトップ、スマートフォン、タブレットなどのデバイスで利用されることを意識しています。
Noto Sans CJK は2014年7月16日に登場したセリフ体のフォントです。Noto Serif CJK は2017年4月4日に登場したセリフ体と対になる明朝体フォントです。
源ノ角ゴシック(Source Han Sans)はNoto Sans CJKに含まれ、源ノ明朝(Source Han Serif)はNoto Serif CJKに含まれています。
略語の名称が紛らわしく感じるかも知れませんので略語を説明します。
- NotoはNo more tofuの意味です。
- Sansはゴシック体です。Sans はSans-serifのserifが無いと意味です。
- Serifは明朝体です。
- CJKは中国語・日本語・韓国語のChinese, Japanese, Koreanの略語です。
ライセンスについて
SIL Open Font License
SIL Open Font Licenseはフリーソフトウェアライセンスで、オープンソースのフォントライセンスとして人気の高いです。有名どころではアイコンフォントのFontAwesome(http://fortawesome.github.io/Font-Awesome/)で採用されています。アプリケーションの同梱に当たりOFLであることの明示が必要にます。印刷やグラフィックでの利用については制限が無いためとても利用しやすいライセンスです。
IPAフォントライセンス
IPAフォントライセンスのフォントではフォント利用明示とライセンスの添付またはURL明示が求められます。そのため配布するアプリケーション内でIPAフォントを使っている旨を明示する必要があります。
複数端末にインストールするようなアプリケーションの場合、フォントを同梱するには再配布の問題を解決する必要があります。再配布について公式サイトのFAQ(http://ipafont.ipa.go.jp/node87)で丁寧に説明されています。
Ubuntu16.04でNoto CJKを利用する
Ubuntu上のフォントを変更はGUIのunity-tweak-toolから行うと楽です。fonts-noto-cjkをインストールした後にunity-tweak-toolを起動し、フォントに「Noto Sans CJK JP」を選択します。
$ sudo apt update $ sudo apt install fonts-noto-cjk $ sudo apt install unity-tweak-tool $ unity-tweak-tool
まとめ
アプリケーションに組み込む、またはウェブフォントとして利用ができるオープンソースの日本語フリーフォントを紹介しました。
以前はフォント利用に関するライセンスが曖昧な事が多かったのですが、今はスマホやタブレット上で動作するネイティブアプリでオープンソースフォントを利用する事も多くなったためか配布条件に合わせたライセンスが整備されてきた印象を受けます。
商用フォントを利用する事も多いと思いますが、オープンソースのフォントはプロジェクトが公開されている事もあり合成フォントの生成やサブセットフォントの抽出のように汎用的な利用も出来ます。
まずはお使いのテキストエディタのフォントとして試して見ては如何でしょうか?
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