はじめに
ソフトウェア開発の分野は、日々凄まじいスピードで変化を遂げています。毎年のように進化しており、変化に取り残されず競争力を保ち続けるためには、常に最新のトレンドを知る必要があるでしょう。この記事では、2019年のソフトウェア開発のトレンドについて紹介します。ソフトウェア業界にいる方や2019年の開発トレンドを知りたい方は、ご覧ください。
GitHubを見ると、TypeScriptの利用者が激増
ソフトウェア開発において欠かせない存在になっているGitHub。GitHubは、毎年Octoverse Reportというレポートを発表しています。Octoverse Reportは、GitHubの開発履歴や利用者のデータをレポートにしているため、ソフトウェア開発の最新トレンドを知る手段です。Octoverse Reportを見ると、2018年に急激にユーザーを増やしたプログラミング言語があります。それがTypeScriptです。
TypeScript は、Microsoftが中心となり作っているJavaScriptの上位言語。TypeScriptの特徴は、プログラムが型システムを持っていることです。コンパイルの時には、型チェックを行えます。コンパイルでは、TypeScriptをJavaScriptに変換するだけです。そのため、nodejsやブラウザなどの既存のランタイムで動かすことができます。TypeScriptなら、既存の実行環境を使いつつも、プログラムを安全に書くことができるのです。大規模なプロジェクトに適していると言えます。Microsoftが開発していることもあり、TypeScriptの利用者は今後も増えるでしょう。
ウォーターフォール開発からアジャイル開発への移行は加速する
ソフトウェア開発において、ウォーターフォール開発とアジャイル開発に関する議論は尽きません。しかし、ソフトウェア開発環境が、凄まじいスピードで変化していることを考えれば、2019年はアジャイル開発への移行がさらに加速すると言えるでしょう。
アジャイル開発は、2000年代に注目されて以降、新しい開発手法として常に注目され、議論の的になってきました。開発者から根強く支持されてきたことで、ウォーターフォール開発と並ぶ手法にまで成長しています。アジャイル開発は、ソフトウェアの機能を分割して考えるのが特徴です。作業とテストを素早く反復することにより、ソフトウェア開発を行います。作業の手戻りを少なくできるので、仕様変更などによる作業量増加を抑えられるのです。
アジャイル開発への移行が進むからと言って、ウォーターフォール開発が完全になくなるわけではありません。プロジェクトの内容や状況によっては、ウォーターフォール開発が有用な場合もあるでしょう。しかし、ウォーターフォール開発は過去の工程に戻らないことが前提となっています。さまざまな状況に柔軟に対応しつつ、変化のスピードに取り残されないようにするためには、アジャイル開発への移行は不可欠です。アジャイル開発を採用するプロジェクトは、さらに増加するでしょう。
アジャイルとDevOpsがソフトウェア開発の常識に
ソフトウェア開発の常識になりつつあるのが、アジャイルとDevOpsの組み合わせです。アジャイルとDevOpsの組み合わせは、2018年からトレンドになっています。2019年はトレンドになるだけでなく、ソフトウェア開発の競争力を保つために、不可欠な要素になるでしょう。
従来のプロジェクトでは、開発と運用が分離していることが多く、不都合が生じることも少なくありませんでした。プロジェクトメンバーの立場が違えば、プロジェクトを進める上で対立することもあるでしょう。DevOpsでは、開発と運用の垣根をなくすことが特徴です。プロジェクトを円滑に進めるために、構成管理ツールなどを使うことで、インフラ構築を自動化するのです。リリースの度に新しい環境を作り直すことで、作業が単純化されて運用の負担を軽減します。負担が減ることで開発と運用のトラブルを少なくして、開発環境を良好にするのです。ソフトウェア開発の手法では、アジャイルとDevOpsの組み合わせがトレンド、そして必要不可欠な手法になることは間違いないでしょう。
競争力を保つためには、トレンドを知る必要がある
2019年のソフトウェア開発のトレンドについて解説してきました。ソフトウェア開発ほど変化のスピードが早い業界はないでしょう。常にトレンドを知り、開発環境に取り入れなければ、たちまち競争力を失ってしまいます。数年前から浸透しているアジャイルは当たり前ですが、DevOpsとの組み合わせやTypeScriptの利用者が急増しているのは、2019年の大きなトレンドと言えるでしょう。この記事で紹介したソフトウェアの開発トレンドを知り、日々のプロジェクトに取り入れてみてください。
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