(Photo by: Hamza Butt)
現在の技術トレンドから2018年に人気が上昇することが予想されている「オープンソースの10個の技術トレンド」をご紹介しいます。
11月末にopensource.comにより発表された記事から10個の技術トレンドについて概要をお伝えします。(「10 open source technology trends for 2018|Opensource.com」)
1. OpenStack 活用の増加
エンタープライズ領域では、多くの大企業がOpenStackプラットフォームを使用してクラウドコンピューティングシステムを構築し、管理しています。
このトレンドは2018年以降も継続し、すでに多くのソフトウェア会社とホスティング会社、個人によって利用されており、クラウドコンピューティングの未来となります。
OpenStackとは…
オープンソースにて開発された、クラウド環境構築するためのプラットフォーム(ソフトウェア)です。OpenStackプラットフォームは仮想マシン、ストレージ、ネットワークのリソースを提供するクラウド環境をプライベート環境に構築することが可能です。AWS(Amazon Web Service)をイメージすると分かりやすいです。AWSをプライベート環境に構築することができるソフトウェアです。
OpenStackの日本での事例
などの大規模な導入事例が紹介されています。
2. 「プログレッシブ・ウェブ・アプリケーション」が普及
Progressive Web Apps(プログレッシブ・ウェブ・アプリケーション/PWA)は、モバイルブラウザでネイティブアプリケーションのように動作し、Webアプリケーションのようにインストールなしでサービスを利用することができます。
PWAのユーザー体験は、次の通りです。
- 信頼性:ネットワーク状態にかかわらずアプリケーションを実行することが可能です。アプリを構成する主要なリソースをキャッシュすることでユーザーにコンテンツを提供します。
- 高速性:スムーズで高速な処理と早いレスポンス
- エンゲージメント:ネイティブアプリのように利用することができ、アプリストアを必要としません。ウェブプッシュ通知にも対応します。
PWAは、スマートフォン/タブレットなどモバイルユーザーのニーズに合った機能を提供しています。
3. プログラミング言語「Rust」
Rustは速度、安全性、並行性の3つのゴールにフォーカスしたシステムプログラミング言語です。
Mozillaが開発し、Firefoxブラウザの開発に使っているプログラミング言語です。
表現力を犠牲にすることなく安全なコードを書くために、CやPythonなどの言語に有効な代替手段を提供します。
(Photo by:Matthew McCullough)
4. プログラミング言語「R」
オープンソースのプログラミング言語である「R」は、統計的なデータ解析に特化したスクリプト言語です。
R言語は、C言語やJavaなどの汎用開発言語と異なり、統計解析に特化した言語です。そのため、統計解析のためのライブラリや関数が多く存在し、最小限の労力で解析環境を利用することができます。さらに、視覚化に優れたグラフ機能やデータ操作に対して自由自在に扱うことができる特徴があります。
5. XaaSの範囲が拡大
サービスとしてのソフトウェア(SaaS)、サービスとしてのインフラストラクチャ(IaaS)、サービスとしてのプラットフォーム(PaaS)はよく聞くワードです。XaaSは「サービスとしての何か」と説明されています。
XaaSの範囲が拡大するとは、クラウドが主流になるに従い、インターネットを通じたあらゆるリソースをサービスとして利用し、その利用範囲が広がっています。具体例では、UberやLyftなどの強力なコンピューティングを活用し、サービスを提供してる新しいサービスが生まれて注目されています。
6. コンテナ(Container)技術
コンテナ技術は Dockerの登場により注目されていますが、技術はそれ以前から存在していました。Linux上で分離された空間を「Linuxコンテナ」と呼び、Dockerコンテナ同様に1つのOS環境でありながら、プロセスを分離し、マルチOS環境を提供することができます。
コンテナは重要な技術として、企業の本番システムでも活用されています。まだ複雑で使いにくい技術ですが、進歩と共にスマートフォンを利用するくらい簡単にコンテナ管理することができるようになります。
7. 機械学習と人工知能の利用範囲が拡大
機械学習と人工知能は2017年も注目された技術であり、最先端のサービスやアプリケーションに活用されています。
新しいオープンソースのソリューションによって、人々がシステムとやり取りする方法を変え、仕事の本質を変えるように機能します。
機械学習のサービス適用される範囲は拡大し、人工知能も2018年に拡大することが予想されています。
8. ブロックチェーンが主流になる
ブロックチェーンはBitcoinを代表とするデータベースの1つであり、分散型台帳技術、または分散型ネットワークと言います。(wikipedia)
この技術は、すでにICTや金融などFinTechとして広く使用されています。2018年は医療、製造、サプライチェーンの物流など、ブロックチェーン技術を採用する可能性が高く、拡大が予想されます。
9. コグニティブクラウド技術の普及
IBMの解説より、コグニティブ(cognitive)は日本語で「認知」と訳します。Wikipediaによると、「認知」とは、「(人間などが)外界にある対象を知覚した上で、それが何であるかを判断したり解釈したりする過程」と説明されています。つまり、IBM Watsonのような「コグニティブ・コンピューティング・システム」とは、与えられた情報を処理する単なる機械ではなく、人間のように、自ら理解・推論・学習するシステムです。
これらの認知クラウドプラットフォームは2018年に中心的な役割を果たすと予想されています。
10. Internet of Things(IoT)の普及
Internet of Things(IoT/モノのインターネット)は、組込み機器やセンサーなどのコンピューターデバイス「モノ」がインターネットを通じてクラウドやサーバーに接続され、データ送受信できるように制御する仕組みです。
このIoTは今後さらに多くのデバイスやセンサーを繋ぎ、拡大していくことが予想されていますがすでに大きな弊害を生むことが予想されています。
それは、インターネットにつながったデバイスが「古くなった」ときに問題が発生します。インターネットに接続されたデバイスが増えるにつれ、メンテンナス(アップデート)がなされなければ、ハッカーに対するセキュリティ上の脆弱性をもつことになるためです。
最後に、2018年のオープンソース技術トレンドを紹介しましたが、インターネットやソフトウェアの世界ではオープンソース技術がなくてはならいほど必須な技術・ツールとして普及しており、技術革新の基盤となることが予想されます。
さらに詳しく知りたいとき
10 open source technology trends for 2018(en)
https://opensource.com/article/17/11/10-open-source-technology-trends-2018
Progressive Web Apps(PWA)(en)
https://developers.google.com/web/progressive-web-apps/
Rustは何が新しいのか(基本的な言語機能の紹介)(ja)
https://imoz.jp/note/rust-functions.html
残りの私たちにとって、Rが最高のプログラミング言語である理由
http://postd.cc/why-r-stats-is-the-best/
ブロックチェーンの仕組み 〜初心者のためのわかりやすい解説〜
http://gaiax-blockchain.com/blockchain-first-book
コグニティブって知ってる?AIとは違うIBMの目指す世界とは
https://www.ibm.com/think/jp-ja/watson/what-ibm-sees/
人工知能と違うの?コグニティブ・コンピューティングとは
https://blog.codecamp.jp/post-29758
IoTとは?|IoT:Internet of Things(モノのインターネット)の意味
https://mono-wireless.com/jp/tech/Internet_of_Things.html
IoTで見過ごされている大問題:ネットにつながるデヴァイスには「寿命」が必要だ
https://wired.jp/2014/06/08/iot-must-be-programmed-to-die/
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