アプリ開発や組込みシステム開発をしているエンジニアの方は特にフォントこだわりがあるのではないでしょうか?ソースコードを書くとき、テキストエディタに利用するフォント、組込みシステムに利用するフォント、LinuxやMac OSのターミナルで利用するフォント、長時間パソコンをみていることが多いエンジニアはフォントにもこだわっている人が多い気がします。
本記事は「商用利用」も可能なオープンソースな日本語フォントをご紹介したいと思います。
「アプリ開発で組み込み可能な日本語フォントを探している」方や「日本語フォントに関するオープンソースの活動状況を知りたい」という方はぜひご覧下さい。
スマホ・タブレットと持ち運びするデバイスの需要増に合わせ、今までPC向けの開発が多かったWEBアプリやデスクトップアプリをスマホ・タブレット向けに作り直す案件やプロジェクトが増加傾向にあるかと思います。
WindowsOSやMacOS向けであればアプリケーション内でOS同梱フォントが利用できますが、スマホ・タブレット等の商品毎にメーカーが異なるデバイスでは、プレインストールされているフォントが異なるため、アプリケーション側に日本語フォントに組み込む事が求められるケースがあります。
本記事ではアプリケーションに組み込んで利用可能なライセンスで提供されている、オープンソースの日本語フリーフォントの有名どころ3つを紹介します。
IPAexフォント / IPAフォント
ライセンス:IPAフォントライセンス
ライセンスの問題がなく、自由に利用できる日本語フォントとして認知されているフォントです。Ubuntuに含まれるTakaoフォントはIPAフォントからの派生フォントです。一定の条件を満たすとアプリケーションにバンドル(同梱)可能です。
※ 画像のサンプルコードはrubyのソースコードに含まれていたTCL/TKのウェジットを表示するデモコードです。
(IPAexゴシック)
IPAフォントではフォント利用明示とライセンスの添付またはURL明示が求められますので、配布するアプリケーション内でIPAフォントを使っている事を含める必要があります。
複数端末にインストールするようなアプリケーションの場合、フォントをバンドルするには再配布の問題をクリアする必要があります。再配布について公式サイトのFAQ(http://ipafont.ipa.go.jp/faq.html)で丁寧に説明されています。
Noto Sans CJKフォント
ライセンス:Noto Sans CJK はSIL Open Font License, Version 1.1
NotoはGoogleによって開発されたオープンソースのフォントファミリーです。その中に含まれるNoto Sans CJK は、GoogleとAdobeが共同開発した日本語、中国語(繁体 / 簡体字)、韓国語を利用可能なフォントです。
2014年7月16日に登場した新しいフォントで、ラップトップ、スマートフォン、タブレットなどのデバイスで利用されることを意識した書体です。
リリースノート(https://noto.googlecode.com/git/third_party/noto_cjk/NEWS)を読むと、2015年4月20日リリースのNoto Sans CJK 1.002からライセンスがApache License 2.0からSIL Open Font License 1.1に変更になりました。そのため、この以前に書かれた紹介記事ではNoto Sans CJKのライセンスはApache License 2.0と説明されていますが、2015年5月4日時点ではSIL Open Font License 1.1ですのでご注意ください。
ここでSIL Open Font Licenseと言うあまり聞かないライセンスが出て来ましたので少し説明します。SIL Open Font Licenseはフリーソフトウェアライセンスで、オープンソースのフォントライセンスとして人気の高いです。有名どころではアイコンフォントのFontAwesome(http://fortawesome.github.io/Font-Awesome/)で採用されています。アプリケーションの同梱に当たりOFLであることの明示が必要にます。印刷やグラフィックでの利用については制限が無いためとても利用しやすいライセンスです。
M+フォント
ライセンス:フリーソフトウェア
M+フォントはゴシック体の日本語フォントで、ライセンスがとても自由な事で知られています。特定のライセンスを採用しておらず完全に自由利用が出来るフリーライセンスです。アプリケーションへの組み込みや、合成フォント、もちろん商用利用でもライセンスが問題になる事がありません。
合成フォントとして広く利用され、IPAフォントと合成したMigMix、Noto Sans CJKフォントの派生元であるSource Han Sans(源ノ角ゴシック)と合成したMgen+があります。
まとめ・要約
アプリケーションに組み込み利用ができるオープンソースの日本語フォントを紹介しました。モバイルアプリやゲームなどでフォントを組み込んで配布する形態のソフトウェアの場合、フォントの再配布の条件、ライセンス表記、改変の制約等を確認した上で採用する必要があります。
商用ライセンスでフォントを購入しアプリケーションに組み込む事も多いと思いますが、今回紹介したフォントは自由度が高く利用しやすいものばかりですので、アプリケーション開発のフォント選定の際にご活用下さい。
特定シーンで役に立つかもしれない、開発者向けフォント
ルーンフォント
ライセンス:不明
魔法少女まどかマギカで登場したルーン文字を忠実に再現したフォントです。不思議な能力でトラブルを解決する少女と職場でペアプログラミングをする時におススメです。
URL(http://wiki.puella-magi.net/Deciphering_the_runes)のArchaic and Modern Font からフォントをダウンロードできます。
怨霊フォント
ライセンス:フリーフォント
JIS第二水準まで対応しています。利用にあたり比較的にですが不自由が発生しづらい日本語フォントです。
苦手な上司と一緒に椅子を並べてペアプログラミングやコードレビューをする時は気持ちが沈みがちになるかと思います。そのような時は怨霊フォントで表だって言えない鬱積した感情をディスプレイに映し出しましょう。苦手な上司と呪怨の羅列を共有する事で、人間関係を次のステージに進める事が出来るかも知れません。
(怨霊フォント)
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1 Comment
[…] いますが、2015年5月4日時点ではSIL Open Font License 1.1ですのでご注意くださいのです。 上の「筑紫A丸ゴシック」の姉妹フォント「筑紫B丸ゴシック」も追加されます。 [紹介元] tracpath:Works […]