2014年に日本で行われた「自動運転技術への期待」に関する調査によると、自動運転車(ドライバーレスカー)を購入したいと答えた人の割合は、購入したいと答えなかった人の割合と、おおよそ半々になっていて、ギアはオートマチックを選ぶ人が大多数であっても、運転の全てを自動化することに不安を覚える人が多いようです。
(Photo by:Marc van der Chijs)
自動運転車(ドライバーレスカー)を「購入したくない」と答えた人の不安の要素でもっとも大きいのは安全面ですが、アメリカでは、注意の欠陥やスピード違反、飲酒運転などドライバーによる事故は全体の90%以上にのぼり、ドライバー自身も予測できないような急病によって引き起こされた事故は6%以上、2013年には543件が報告されていて、人が運転していることが事故につながるという見方もあります。
↑人間である以上、絶対に完璧な運転はできない。(Photo by:Zyan)
実際に、世界一時間に正確だといわれ、安全性に定評のある日本の電車を見てみても、鉄道事故件数は毎年800件以上にまで上り、必ずしも安全とは言えず、その中で、1981年に日本で初めて無人運転交通システムを導入した神戸のポートライナーは開業以来、列車との接触事故等の人身事故件数0を誇っており、今では市民からの信頼が厚く多くの人が利用しています。
自動運転車(ドライバーレスカー)は、360度見渡して危険予測をし、走行車線の変更や車両同士の衝突を回避することが可能で、カーナビゲーションシステムによって運転手がいなくとも安全に目的地に到着できるようになるため、人間が予測できる範囲よりも多くの情報を取り入れることで、人が運転するよりも安全になり、「車は走る凶器」という考えも大きく変わると予測されます。
↑無人運転の交通システムの方が圧倒的に事故は少ない。(Photo by:Kentaro Ohno)
この大きな転換期を見据え、トヨタやフォード、アウディ、そして、ジャガーなど世界の自動車業界をけん引している大手自動車メーカーが自動運転の開発をすすめているだけでなく、グーグルやアップル、そしてマイクロソフトといったIT企業も、自動運転車(ドライバーレスカー)業界への参入を進めています。
アウディの製品と技術コミュニケーションのトップであるステファン・モーザー氏は、安全性次第で自動運転車(ドライバーレスカー)は普及するとして、次のように語っています。
「我々が全てのシステムの開発に成功した際には、自動運転車(ドライバーレスカー)は人間の運転より安全なものとなるだろう。自動運転車(ドライバーレスカー)は、運転中に電話したり素敵な女性に目を奪われたりすることがないからね。」
↑コンピューターには良くも、悪くも人間的な感性がない。(Photo by:By: Faramarz Hashemi)
高齢の夫と二人暮らしをしている78歳のマージ・スチューベンさんは「シニア住民の一人として自動運転車(ドライバーレスカー)が可能になることはとても喜ばしい。いつか自分で運転できなくなる日が来るだろうからね。」と自動運転車(ドライバーレスカー)への期待を膨らませていますが、特に高齢化社会に向けて、自動運転車(ドライバーレスカー)がシニア層の運転の不安を解決するだろうという期待は大きく、元看護学生で68歳のクリスティーナ・ケイザーさんも、次のように述べています。
「ドライバーレスカーはいろんな可能性を秘めています。年をとって、自立して生活することが困難になったとしても、この移動手段があれば、病院などいろいろなところに自分で行くことができるようになるでしょう。」
↑自動運転は様々な社会問題を解決する。(Photo by:rpavich)
自由民主党の小泉進次郎氏は、「多くの人がドライバーレスカーは不可能だと言っているが、私は人々が予期しているよりも早い段階で可能になると確信している」と述べていますが、自動運転車(ドライバーレスカー)を導入するために、国としての積極的なインフラや法律の準備が求められていて、自動車大国ドイツは、いち早く自動運転車(ドライバーレスカー)に関する法律の制定に動き出しています。
「今のドイツの交通ルールでは、1968年の道路交通に関するウィーン条約により、ドライバーレスカーやロボットによる運転でドイツ国内の車道を走ることは禁止されています。そのためドイツ人政治家、アレクサンダー・ドブリント氏は、数年以内に自動運転車(ドライバーレスカー)が実現可能なものになるという予想を踏まえて、新たな交通ルールの制定を強く示唆しています。」とガーディアンのベルリン通信員、ケイト・コノリー氏は報じています。
↑自動運転の実現にはテクノロジーと合わせて、政治の力も必要。(Photo by:European People’s Party)
ライト兄弟はグライダーでの有人飛行とは異なり、エンジンを用いた有人飛行を人類で初めて成功させ、世間に広く知れ渡りましたが、彼らが飛行機を開発していた当時、多くの人が彼らの試みが信じられず非難していたと言われています。
そのような状況下でもライト兄弟が「飛行機はきっと空を飛ぶと確信していた」と語っていたように、現在自動運転車(ドライバーレスカー)の開発に勤しんでいるエンジニアにも同様の確信があると言えるでしょう。
↑どんなイノベーションでも最初は非難され、上手くいかない。(Photo by:David Blaikie)
車だけに限らず、物事の自動化によって、より便利で快適な生活が可能になってきていますが、その一方でその流れについていけない人々も多く存在し、自動運転車(ドライバーレスカー)においても、安全性に重きを置きすぎる流れを非難する人もいて、カリフォルニア大学のデザインラボでディレクターを務めるドナルド・ローマン氏は、次のような課題を示唆しています。
「ドライバーレスカーの問題は安全すぎるところにある。人間のように、ある程度、能動的に走り、それぞれの文化に適応しないといけない。」
中部大学の教授で環境評論家の武田邦彦氏は「エンジニアは自らの技術を愛する」と語っていますが、そういったエンジニアの信念が世間からの非難を要望に変え、人類の進歩を推し進めて、私たちの生活を日々豊かにしていってくれることを祈るしかありません。
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