(Photo by:Intel Free Press)
グーグルに加え、アップルが開発中と噂されるセルフドライビングカー(自動運転の車)が注目されていますが、こういった新しい取り組みが実社会で採用されるかどうかは、アイデアをかたちにするエンジニア達の働きにかかっています。
情報化社会が進む中、エンジニアに求められる仕事量は落ち込む見込みがなく、他の職業が年々、労働時間を減らしている中、エンジニアが分類される「情報通信業」の労働時間は、ほぼ横ばい状態にあります。
エンジニアやプログラマーたちは、画面に張り付いて仕事を続けることも多く、厚生労働省によれば、「情報処理・通信技術者」によるうつ病などの精神面による労災請求は44件で、99職種のうち11位と高い位置にあり、長時間労働に加えて、その特殊な労働環境が、健康に負担をかけている可能性も否定できません。
↑次の時代を担うエンジニアの労働環境は、心身の危険と常に隣り合わせ。(Photo by:nigelpepper)
納期と戦い、昼夜問わずオフィスにこもるエンジニアにとって、休憩時間は不規則になりがちで、食事も手軽にエネルギーを摂れることが最優先のため、エンジニアの職場にはカップラーメン、菓子パン、スナック、そしてエナジードリンクなどがあることが生命線のようになっており、GILTというアメリカのオンラインショッピングの会社では、無料だったドリンク類を有料の自動販売機に変えたところ、エンジニアが暴動を起こしそうになったというエピソードもあります。
↑エンジニアにとって、エナジードリンクは生命線。(Photo by:MrkJohn)
しかし、このような食べ物は、疲労のたまった心身にさらに負担をかけることは言うまでもありません。
保存ができて手軽に食べられる加工食品には、殺人脂肪とも呼ばれる「トランス脂肪酸」を含んだものが多くあり、トランス脂肪酸は、神経回路や脳に直接ダメージを与え、またソーダ類などに大量に含まれる糖分は、血糖値を不安定にさせ、こういった栄養素が偏った食品を摂り続けることが、うつ病、糖尿病、心臓発作、不妊症など様々な病気を引き起こす原因になるとも言われています。
↑体に悪い食べ物は、最終的に能率を下げる。(Photo by:Naoharu)
そのような事実を知ったところで簡単に変えることはできない、というエンジニアの嘆きに応えるように、近年、「早い・安い・調理いらず」な食事に「安心」を加える食のサービスが次々と誕生しています。
株式会社おかんが提供する新社食サービス「オフィスおかん」は、言ってみれば置き菓子サービスの社員食堂版のようなもので、小型冷蔵庫と料金箱をオフィスに設置し、100~200円程度の総菜やスープ、ごはんなど、常時30種類程度のメニューが入った小型の冷蔵庫を設置し、24時間いつでも、好きなものを取り出して、レンジで温めて食べることができます。
↑人間の体が食べ物以外で作られることはない。(Photo by:pika1935)
サバの味噌煮やカボチャの煮付けなど、全てのメニューは、特殊な製法により、添加物や保存料を使わなくても1ヶ月程度も保存が効くなど、栄養面に加え、安全性も配慮されています。
また、新鮮な野菜や果物という最も摂取が難しい食材においても、株式会社KONPEITOUが展開する「OFFICE DE YASAI」は、1パック50円~100円程度のハンディサイズにパック分けされた旬の野菜や果物を、オフィスに設置した専用冷蔵庫に毎週届けるというサービスで、生産者を厳選し、安心でこだわり抜かれた野菜を、小腹がすいたときにスナック変わりに食べられたりと、手軽さが受けています。
↑しっかりとした環境が整えば、忙しくても健康な食事を取ることはできる。(Photo by:Tristan Kenney)
シリコンバレーでも、従業員の食事は安定した雇用対策の一手段として重要視されており、グーグルのカフェテリア「Charlie’s Cafe」やFacebookの「Epic Cafe」では、新鮮なオーガニック素材を使用した料理を無料で提供しており、腕のいいシェフをヘッドハンティングしているほどだと言います。
このような社員専用のカフェテリアを導入する試みは、資金と敷地、従業員を多く持つ大手企業だからこそできることで、従業員30人以下の企業が80%を占める日本の「情報サービス業」においては、余分なスペースもなく、現実的には、「オフィスおかん」や「OFFICE DE YASAI」のような、プチ社食サービスが今後、エンジニアのランチの定番として広がることが期待されます。
↑規模に関わらず、食事は安定した雇用対策の一つ。(Photo by:National Assembly for Wales)
しかしながら、見方を変えれば、オフィス社食サービスによる、「会社にいても、家庭と同じ栄養分を補える」環境は、エンジニア達を取り囲む、オフィスから出られないという労働環境を前提にして成り立っていることも事実です。
目指すところは、手の届くところにスナックをおくのはやめて、エンジニアたちが栄養豊富な食事を摂って、もっと健康になり、仕事の能率があがるようになることですが、それによって会社にいる時間が増えてしまっては、結局健康は実現できないのかもしれません。
エバーノート日本法人会長の外村仁氏は、社員食堂といった社内サービスの目的は、エンジニア達の仕事以外の時間を取り除くことで、「1行でも多くコードを書いてほしい」からだと言います。
↑会社が食堂を用意するのは、1行でも多くコードを書いてもらうため。(Photo by:Intel Free Press)
「早い・安い・調理いらず・安心」の4拍子が揃う、オフィス社食サービスがあればあるほど、会社で仕事をし続けてもいいような気に陥ってしまいますが、社食サービスはきっかけを与えるものとして、毎日「もう1行コードを書く」時間を「週に1回ジムに行く」時間に変えていくような、自らの力で、健康な生活を送る手段や方法を実践するために行動を起こすことに意味があります。
とりあえず、毎日、冷蔵庫から新鮮な野菜をつまむという小さな健康習慣を続けるうちに、心身が楽になる働き方のヒントが見えてくるかもしれません。
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