(Photo by:Claire Thompson)
アメリカのユタ州で最初の州運営のオンラインスクールが1994年に設立されてから約20年、オンラインスクールの数は増え続けていて、2006年の時点の統計ですでに、州立の学校なども含めてアメリカ全土で100校を超えるまでになっています。
州によっては無料でオンラインのカリキュラムの受講が可能なほど、一般に手近な存在となったオンラインスクールの影響で、2014年にはアメリカのホームスクーリングの生徒は150万人を突破し、今後ますますオンラインプラットフォームの学校の需要は増えていくだろうと予想されています。
↑様々な需要に対応した、オンラインスクールはどんどん増え続ける。(By: reynermedia)
たとえば、オンラインスクールの公立学校として認められているFriendship Public Charter School Online (FPCSO)は、コロンビア特別区在住の生徒は無料で授業を受けることができる8年制の学校ですが、ワシントンD.C.公認のFPCSOの教師たちは、指導のほかに、定期的にEメールで生徒や保護者とのコミュニケーションをとるほか、オンラインでのディスカッションを行って、バーチャルの中でも生きた授業を行います。
さらに、FPCSOではイベントなどの校外活動も開催され、生徒に社会的な学習の機会も提供しています。
↑ディスカッションは、オンラインでも十分行える。(Photo by:Mads Bødker)
今年創設されたばかりのThe Desert Learning Academyという12年制のオンラインベースの公立学校には、8月の時点ですでに128人の生徒が入学していて、全ての授業はオンラインで行われ、生徒はオンライン授業にビデオか電話でチェックインすることが出席の代わりとされています。
校長トム・リード氏は、この学校は子供たちそれぞれが達成したいことをサポートするための学校であり、入学する生徒には、「何がやりたいのか、それをどう達成したいのか」を尋ね、その答えを基に学校側が学習プランを作ると述べています。
このオンラインスクールが、他の学校と大きく違う点は、オンラインスクールでありながら広いキャンパスがあることで、すべての生徒が実際に存在する学校とつながっていることを感じ、いつでも学校で生身の先生や友達と接することができるようにしています。
↑授業はオンラインで行われ、それ以外の学校生活も普通に楽しむ。(Photo by:Jessie Pearl)
従来のホームスクールといえば、子供の安全を確保するためという考えが強く、アメリカでホームスクーリングをする生徒の内、約10%がアフリカ系アメリカ人の子供で占められていますが、それは人種差別がいまだ根強いアメリカで、ホームスクールによって肌の色が原因でのいじめを避けることができるためだと考えられます。
あるいは、銃の乱射事件など、学校といえども安全ではないという考えから、親の目が届く範囲で教育を受けることができるホームスクールを選ぶ親もいます。
しかしながら、ここ数年のオンラインスクールの発展によって、ホームスクールは子供の安全を守るために学校以外の選択肢として消去法で選ばれるものではなく、きちんと学校に所属し、どこからでも同じ先生や友達と一緒に授業が受けられるという柔軟性をメリットと考えて選択される場合が多く、オンラインスクールによって個性を伸ばすために時間を費やすことができるとして、子供自身が選び取るケースも増えています。
↑21世紀、最も必要とされるスキルは「自分の好きなことに夢中になること。」(Photo by:zeitfaenger.at)
実際にオンラインでホームスクーリングを行っている13歳のクリストファー君は、午前中にオンラインスクールのカリキュラムで学び、それが終わると一番興味があるロボット工学の勉強に取り掛かります。母親であるフーバーさんは、クリストファー君は毎日の習慣をよく続けているし、子供が自分の情熱のままに学べるのは良いことだと話しています。
16歳のJamie Hunt君の場合は、テニスで世界的な選手になるためには、普通に学校に通うことは難しいと感じており、フレキシブルに学習もしながら、さらにテニスの技術を向上させるためにマイアミ大学付属のオンライン高校に入ることにしました。
↑子供の頃の時間は、人生で一番貴重な時間。(Photo by:Brett Neilson)
また、世界中でインターネットが整備され、いつでもどこでもインターネットに接続できるようになりつつあり、オンラインでの教育のほうが運営費用が安い、また、一人の教師が教える生徒の数を厳しく制限しなくてもよいなど、学校側にも大きなメリットがあります。
さらに、親の視点でも、アメリカでは2014年の時点で34%がフリーランスで働いていますが、企業に属さない親が定住せずに仕事をするようになったのに合わせて、子供のライフスタイルも多様化せざるを得ない状況となっており、オンラインスクールであれば、そういった親の仕事の都合で転居しても関係なく、子供に連続性を持った教育を与えることができます。
↑新しいライフスタイル「親は会社に行かず、子供は学校に行かない。」(Photo by:U.S. Army Corps of Engineers Savannah District)
オンラインスクールは、子供の学習方法や時間の使い方を柔軟にするだけでなく、親子関係の形成にも影響を与えるとされており、今後ますます在宅勤務を取り入れる企業が増える中、オンラインで教育を受けることで、親と子供が一緒の空間で過ごす時間が増え、親が子供に自らの知識や経験を伝える機会も増やすことができます。
オンラインスクールという選択肢が一般化することによって、大切なものが何なのか、親も子供も日々考えて行動する生活を送り、家庭の充実を体感できるようになるかもしれません。
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